今現在、日本の食卓でよく食べられているお米は
モチモチとした粘りと甘さが特徴のお米です。
多くの人々にこのような食味が美味しいとされ、食べられています。
このように粘りと甘さのあるお米のほとんどには
今や日本を代表するお米、コシヒカリの遺伝子が含まれています。
では逆に、モチモチしていない、粘りがなく甘さもない
あっさりとした食味のお米があるとしたら、どうでしょうか。
普段から、粘りと甘さのある食味のお米ばかりを食べていると
あっさりしているお米がどのような食味が、想像はつかないことでしょう。
しかし、あっさりした食味のお米は、粘りと甘さは控え目なので
体になじみやすく、スっと入ってくる感覚があります。
そして、胃もたれしにくく、噛めば噛むほどに少しづつ増す甘さには雑味がなく
お米本来の美味しさを味わうことができます。
あっさりしているので、おかずの味も引き立てます。
このようなあっさりした食味のお米には
ササニシキやミナミニシキがあります。
現在ではあまり多くは作られていない2つのお米について
ご紹介致します。
1953年に宮城県古川農業試験場でハツニシキ×ササシグレから生まれ
1953年-1963年の育成期間を経て、1963年に世の中に出たお米です。
ササニシキは誕生した当初、コシヒカリと並ぶブランド米でした。
しかし、天候に左右されやすく栽培が難しいため
次第に入手しにくいお米となってしまいました。
しかし、あっさりしていて甘すぎない食味は
刺身や煮物といった和食にはぴったりです。
おかずや調味料の味を引き立てるので、特に酢飯には最適です。
今でも多くの寿司店では、ササニシキが使われているのです。
ミナミニシキは、
父に秋晴、母に南海43号(トヨタマ)を持ちます。
1967年に宮崎県総合農業試験所で誕生しました。
ミナミニシキの作付面積ピークは
1986年に3.5万ヘクタールまで伸び全国11位。しかし1989年以降、激減しました。
2000年のデータでは、作付面積は327位となり、
今ではほとんど栽培されておらず、熊本で栽培されているのみです。
この二つのお米、名前は似ていますが
系統は全く別です。誕生した時期も同じではありません。
ササニシキとミナミニシキ、2つの共通点は
やはり、食味があっさりしているという点です。
上の系譜を見ての通り、2つとも、コシヒカリ系の遺伝子を含んでいません。
従って、粘りや甘さのないサラサラとした特徴をもつお米なのです。
さらに、ササニシキとミナミニシキは
お米のでんぷん質が原因で引き起こされる米アレルギーが起にくいお米といわれています。
しかも、2つのお米には
お米の粘りと甘さを抑えるアミロースという物質を多く含んでいます。
ササニシキとミナミニシキは、このアミロースによって作れられる
消化吸収されにくいでんぷんを多く含んでいるので
コシヒカリなどに比べ、糖の吸収が遅いといわれています。
従って、食後における血糖値の上昇が緩やかになるため
糖尿病にも効果が期待できるお米なのです。
ササニシキとミナミニシキは、あっさりした食味のお米ですが
具体的な違いはあるのでしょうか。
長期間、2つのお米を食べ続けると、次第に違いが実感できるようになります。
あえて違いを付けるならば、ミナミニシキの方がよりあっさり感があります。
少し粘りが必要と感じる人には物足りないかもしれませんが
体にスッと入ってくる感覚があります。
もちろん、味や食べやすさに関しては、人それぞれ好みがありますので
自分の体に合ったお米を探すのがベストですね。
Tags: ミナミニシキ、違い、味
Posted by 自然栽培米ササニシキ-在来種・伝統のお米産地直送専門店 at 22:11 / 自然栽培農産物の知識コメント&トラックバック(0)