自然栽培米ササニシキ-在来種・伝統のお米産地直送専門店

病害虫に強い稲作りの秘訣とは| 松本一宏の自然栽培米

更新日:2025年3月5日 公開日:2025年3月4日

自立した稲作り

こんにちは。自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。

農業をしていると「病害虫対策は必須だ!」と多くの方が言うでしょう。

病害虫対策において大きく2つの方針があります。
1. 農薬で病害虫対策をする
2. 何もしない

現代では99.5%の人は1が常識だと考えるでしょう。

今回は、福岡県朝倉市で自然栽培米を作る松本さんに「自然栽培米作りで大事にしているポイント」を伺いました。

松本さんが大事にしているポイントを聞いて頂き、実際の現場を見ると病害虫対策の常識が変わるかもしれません。

今回は、自然栽培米農家さんが「強い稲」を育てるために何を意識しているのかを共有できたらと思います。

松本さんの自然栽培米とは?

升に入った松本自然栽培米

福岡県朝倉市で松本一宏さんは、自然栽培米作りを始めて約20年が経ちます。

お米には栽培方法によって様々な種類があり、主に以下のように分類されます。

慣行栽培米:農薬や化学肥料を使用する一般的な栽培方法のお米

特別栽培米:農薬や化学肥料の使用量を通常より5割以下に減らした栽培方法のお米

有機栽培米:有機JAS規格に基づき、化学農薬や化学肥料を使用せずに育てた栽培方法のお米(有機農産物は全体の約0.6%)

自然栽培米:農薬も肥料も一切使用しない、最もシンプルな栽培方法のお米

自然栽培米作りに取り組む方は少ないのですが、人工的な物を田んぼに一切入れず、自然に近い状態で育てることを目指しています。

自然栽培米作りで意識しているポイント

松本一宏さんと稲

松本さんは、自然栽培米を作る中で、これまで田んぼの耕し方、水の管理、苗の育て方など、栽培技術を磨いてきました。

しかし、最終的にたどり着いた大事なポイントは「稲の成長を見守り、自立を助ける」ことだと言います。

人為的に何かを与えるのでなく、稲が自立して育つ環境作りを意識されています。

何も与えないと栄養不足になるのではと思う人がいるかもしれませんが、実際には栄養不足になることはありません。

自然栽培米の水田では、稲の残渣や収穫時に粉砕された稲わら、春草等の有機物がありますが、これらの有機物が田んぼの中で循環して栄養分を作っています。

松本さんは、余計な資材を投入せず、田んぼの中で自然の栄養分サイクルで育てるほうが、農家の負担も少なく、稲も自立して強くなると言います。

お米作りで大切にしていること

自立した稲が見せる現象

ウンカの田んぼ左上写真 左側:慣行栽培米 右側:自然栽培米

松本さんは「農薬や肥料を否定も肯定もしない」という立場です。
それぞれの農家がいろんな事情で栽培しているので自由に選択すると良いという考えです。

松本さんは、自然栽培米作りを選んできましたが、実際に病害虫対策という面で見ると、自然栽培米の稲はウンカ(稲の害虫)の被害を受けにくいです

上写真の左側が慣行栽培米(農薬使用)の田んぼで、右側が自然栽培米(無農薬)の田んぼですが、実際には、自然栽培米の方がウンカの被害が広がりません。

松本さんは、自然栽培米の稲は「自立」しており、農薬に頼らなくても自らを守る力を持っているのではないかと考えています。

最後に:病害虫に強い稲作りの秘訣とは?

自然栽培米農家松本一宏

「病害虫に強い稲作りのために何をするのか?」というと、答えは「何もしない」でした。

何もしないと言ってもキーワードは「自立した稲を作る」ですね。稲が自立できるように田んぼの環境を整えてあげるのが自然栽培米農家の考え方です。

私は、これまで様々な自然栽培の田んぼを見てきましたが、自然栽培米の稲は病害虫に強く、また台風にも倒れにくい傾向があります。自然栽培米の稲は芯から強いんですね。

よく考えるとこれは、お米作りだけでなく、子育てにも通じるように感じます。

親の私達がする事は、子供の「自立」をキーワードにコントロールし過ぎず、環境を整え、実際に社会に出た時にストレスに負けない強さを育むことのように思います。

大きく世の中が動く時代には「自立」はキーワードになりそうです。


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Posted by 自然栽培米ササニシキ-在来種・伝統のお米産地直送専門店 at 11:36 / 伝統の自然栽培米作りの現場コメント&トラックバック(0)

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