日本での稲作の歴史を見てみると
岡山県の遺跡調査において、
縄文時代後期の土器から稲の種籾の跡が見つかっており
日本では、約3500年の稲作文化あることが分かりました。
約3500年の稲作文化の中で
いろいろな品種改良が進められましたが
最も品種改良が進んだのは戦後ですね。
特に1970年以降には、徐々にコシヒカリが作付面積を増やし
1979年には全国で作付面積1位となりました。
この頃からコシヒカリ系の甘味や粘りがあるお米が
美味しいお米の代名詞となりコシヒカリ系の遺伝子を含む稲の品種改良が進められてきました。
私達、自然栽培に携わる者たちとしては
本来、私たち日本人が日常に食べてきたお米は
甘味や粘りがあるお米でなく、
あっさり系のお米だったと思っています。
<目次>
私達があっさり系のお米が本来のお米であると思う理由は2つあります。
一つ目は、
江戸時代の人が一日に5合のお米(穀物)を食べていたという記録が残っていますが
あっさりとしたお米でないと一日5合も食べれません。
二つ目は、
コシヒカリであっても農薬や肥料を使用せずに自然栽培で育て
さらに自家採種を続けていくと
あっさりしたお米に変化してきます。
つまり、昔ながらの自然栽培で育てれば、
あっさりしたお米になっていくのが自然体のお米だと感じています。
私たちが現在お薦めしている
あっさり系のお米は2種類あり
【ミナミニシキ】と【ササニシキ】です。
この2種類はどのような違いがあるのでしょうか?
【ミナミニシキ】と【ササニシキ】の栽培地を知るには
そのお米が生まれた出生地が参考になります。
【ミナミニシキ】
ミナミニシキは
1967年に宮崎県総合農業試験場で南海43号(トヨタマ)×秋晴から生まれ
1967年-1975年の育成期間を経て、1975年に世の中に出ました。
ミナミニシキ系譜図を見ての通り
コシヒカリの遺伝子は含まれていませんね。
【ササニシキ】
ササニシキは
1953年に宮城県古川農業試験場でハツニシキ×ササシグレから生まれ
1953年-1963年の育成期間を経て、1963年に世の中に出ました。
こちらのササニシキの系譜図を見ても
コシヒカリの遺伝子は含まれていませんね。
出生地を見ると、
基本的には
ミナミニシキは九州生まれ
ササニシキは東北生まれという特性があります。
ただ九州でも一部、大分県の村田さんのように
ササニシキを栽培している自然栽培米農家さんがおられます。
そのような方は、自家採種を続けて、その土地にあったササニシキを作られている方です。
明治時代の稲の品種で有名なのが、
西の【旭】、東の【亀の尾】ですね。
旭の特徴は、
長稈(ちょうかん:稲の背が高い)で収穫時期が遅い晩生(おくて)品種
亀の尾の特徴は、
長稈(ちょうかん:稲の背が高い)で収穫時期が9月中の中生(なかて)品種
【ミナミニシキ】と【ササニシキ】の生育特性を見てみると
【ミナミニシキ】に関しては
長稈で収穫時期が10月末の晩生品種で昔の旭の特徴と似ていますね。
一方
【ササニシキ】(大分県産)に関しては
長稈ではありませんが収穫時期が9月中旬頃と中生です。
同じ**ニシキという名前ですが
その生育特性は異なっているのが分かります。
この2種類のお米の特徴は
コシヒカリ系の遺伝子を含まずあっさりした食味に特徴があります。
どちらも甘味や粘りを追求したお米ではなく
昔ながらのあっさり系のお米なのですが
あえて違いを付けるならば
【ミナミニシキ】の方があっさり感があります。
長い間この2種類のお米を食べ続けると
徐々に違いが分かってきます。
ササニシキは、コシヒカリ系のお米よりは
胃に負担無くあっさりと食べることができます。
ミナミニシキは、さらにササニシキよりもあっさりしており
少し粘りが必要と感じる人には物足りないかもしれませんが
体にスッと入ってくる感覚があります。
味や食べやすさに関しては、
人の好みがありますのでどれが良いといえませんので
自分の体に合った体が喜ぶお米を探すのが宜しいかと思います。
【ミナミニシキ】も【ササニシキ】も
昔ながらのあっさりしたお米の特徴を持ち
私どもは、本来日本人が食べてきたお米だと捉えています。
そのため
私どもはお子様にこそ食べて頂きたいお米だと思っています。
これからは
舌で感じるお米の味だけでなく
体に入った後に体がどのように感じるのかというのも大事になってくると思っています。
そのお米は
食べた人の体に喜ばれるのかどうか。
私どもはその価値観を大事にして
農薬も肥料も使用しない自然栽培米を届けていきたいと思っています。
Posted by 自然栽培米ササニシキ-在来種・伝統のお米産地直送専門店 at 13:16 / 自然栽培農産物の知識コメント&トラックバック(0)