こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田敦之です。
普段、私達が食べるお米の種類は300種以上あるといわれていますが、その中で「イセヒカリ」というお米をご存知でしょうか?
このお米は伊勢神宮の神田で生まれたお米で世の中に出回ったのはごく最近のことなので、まだあまり知られていないかもしれません。
イセヒカリは神宮神田にてコシヒカリから突然生まれたお米ですが、栽培面・食味ともにコシヒカリとは全く異なる特徴があります。
今回は、イセヒカリの魅力について、歴史や特徴を交えながらお伝えいたします。
一般的に新しいお米の品種は、すでにある2つの品種を交配させて作ります。
しかし、イセヒカリは交配させて生まれたお米ではありません。イセヒカリは、コシヒカリが突然変異したお米です。伊勢神宮の神田では、このような突然変異が他の圃場より高い頻度で起こるようです。
発見されたのは、1989年。この年、三重県伊勢市を2度の台風が襲いました。伊勢神宮の神田に植えられていたコシヒカリは、そのほとんどが倒伏してしまったのですが、中央に2株並んで直立して残っている稲を発見しました。この2株の稲から「イセヒカリ」が生まることとなります。
そして、今も神宮神田ではこの「イセヒカリ」が栽培されています。
私が、この「イセヒカリ」に魅力を感じる点は、台風という自然要因で生まれたお米ですが、もとのコシヒカリとは全く異なった特性を持つお米になったことです。
イセヒカリの稲の主な特徴は下記の通りです。
・稲の稈(かん:稲の茎)が太い
・倒伏しにくい
・病害虫に強い
上の写真はイセヒカリの収穫前の写真ですが、コシヒカリよりも稲の立ち姿に力強さがあります。見た目においても、全く異なった稲に変化したといっていいほどです。
静岡大学がイセヒカリの種籾を遺伝子分析したところ、縄文時代に日本に渡来した晩生の稲の遺伝子を持つと判定されたようです。
イセヒカリはコシヒカリの突然変異種ですが、栽培面だけでなく、なんと食味までも変化しました。
一般的にコシヒカリは、甘味や粘りを特徴とするお米です。対してイセヒカリは、あっさりして歯ごたえのある硬質なお米です。
イセヒカリは、全くといっていいほど、コシヒカリとは逆のお米に変化しました。
昔の品種のお米はあっさりした食味が多かったので、昔のお米の特性が表に現れたのだと思います。
実際に食べてみると、粒感がしっかりして、あっさりした食味で体になじむようなお米ですね。
イセヒカリは、私たちの生命力の糧になってくれるお米だと感じています。
日本の稲作の歴史は諸説ありますが、3500年以上あるといわれています。
その歴史の中で農薬を使用しだしたのは戦後のことなので、農薬使用の歴史はわずか75年ほどです。歴史的には無農薬の期間が長く、それが普通だったのです。
この現代において、本来のお米を追求して農薬や肥料を使用せずにイセヒカリを育てている農家さん達がいます。
人為的な農薬や肥料を抜くことでより純粋なイセヒカリとなり、また自然の力で育てることで、より皆様の生命力の糧となるようなイセヒカリをわたしたちは届けたいと考えています。
ぜひ、自然の力で育ったイセヒカリを味わって頂き、皆様の命の糧にしていただけたらと思います。
Tags: 自然栽培米, 無農薬, イセヒカリ, 特徴, 魅力
Posted by 自然栽培米ササニシキ-在来種・伝統のお米産地直送専門店 at 12:27 / なぜササニシキ・旭など伝統のお米コメント&トラックバック(0)