世界農業遺産に認定された
大分県国東半島で無農薬・無肥料の自然栽培で
ササニシキとヒノヒカリを作っている村田 光貴さんがおられます。
無農薬栽培米ササニシキという表現は
現在では、栽培期間中、農薬を一切使用していないという意味ですが、
村田 光貴さんの場合、
一年中、お米の栽培期間と考えていますので
一年中、除草剤も含め農薬は一切使用しておりません。
今年で
ササニシキは自然栽培歴3年目
ヒノヒカリは自然栽培歴5年目となりますが
村田さんは田んぼを選ぶ際に10年以上自然放置された田んぼを選んでいるので
ササニシキは、13年以上農薬も肥料も入っていない田んぼで栽培し
ヒノヒカリは、15年以上農薬も肥料も入っていない田んぼとなっています。
農薬は、本来日本にはありませんでしたが
明治時代の1890年代に西欧から入ってきました。
稲作に関しては、
1952年(戦後7年目)に病害虫対策で
イモチ病に効果があるという事でセレサン石灰(水銀剤)
ニカメイチュウに効果の高いホリドール(パラチオン)の使用を開始しました。
農薬や肥料の使用目的は
生産効率化です。
いかに、単位面積で多収で傷のない形の良いお金になる農産物を作るか。
戦後は、特に食料が不足し、
西欧の文化が日本に入り込んできましたので
これまで日本にはなかった不自然な農薬や化学肥料が普及してきました。
西洋から農薬が入ってくる前の
1890年より前は
有機農法(無農薬栽培、地域の有機物還元)が日本の慣行農法でした。
しかし、いまでは、
農薬や化学肥料を使用することが、慣行農法と呼ばれるようになっています。
稲作3000年の歴史の中で
120年ほど前に入ってきた不自然な物質を使用する農法が
慣行農法と呼ばれるのは、何だか変な感じです。
現在でも、
新しく農薬・肥料不使用の自然栽培米に挑戦される方もおられますが、
周りの農家さんから
除草剤を使用しないからうちの田んぼに草が入ってくるじゃないか。
とか
農薬を使用しないからうちの田んぼに害虫や病気がくるじゃないかと
言われる方もいます。
農薬や肥料を使用することが
慣行農法と呼ばれるようになったので
今ではそれが普通なのかもしれません。
農薬を使用していた農家さんに健康被害があったり
農薬を使用している食べ物に化学物質過敏症を示す方がおられたりと
約30年ほどくらい前でしょうか、
無農薬栽培をされる方が徐々に現れてきました。
無農薬で栽培されている方がどれくらいいるのかという統計はございませんが
2010年に有機農業(無農薬、無化学肥料)の普及率を調べた統計を見てみますと
下記のようになっております。
出典:農林水産省 有機農業の推進に関する現状と課題 平成25年8月
統計年によって異なるかもしれませんが
2010年では約1.2万戸(全体の0.5%)の農家さんが
1.6万ヘクタール(全体の0.4%)で有機栽培されているそうです。
徐々に無農薬で栽培される方は増えてきているのですが
2010年時点の統計では、
有機農業(無農薬・無化学肥料)は約0.4%。
まだ、大きく普及しているわけではなさそうですが
一歩一歩ですね。
ササニシキは、1985年(昭和60年)には、全国作付2位となりましたが
1993年(平成5年)の大冷害をきっかけに、生産量が激減し
ササニシキの全盛期には20万ヘクタール栽培されていましたが
2005年では、約1万ヘクタールとなり
現在では、ほとんど栽培されていません。
しかし、化学物質過敏症の方を中心に
あっさり系のお米が少しずつ見直されてきています。
江戸・明治時代に普及していたお米は
現在のような粘り・甘味のあるモチモチ系のお米ではなく
サラッと淡泊なあっさり系のお米だったと言われています。
あっさり系のお米が日本人に合った
本来のお米なのではないかと思っています。
このほとんど栽培されることが無くなったあっさり系のササニシキを
無農薬栽培で育てる挑戦をされている方が、村田 光貴さんです。
2013年に農業世界遺産に登録された大分県国東半島で
農薬も肥料も使用しない自然栽培でササニシキを育てています。
農薬や肥料を使用せずに
無農薬・無肥料の自然栽培で育てたあっさり系のササニシキを
ぜひ味わって頂けたらと思います。
心も体も喜ぶようなお米を作りたいという想いから
【喜び米】と名付けて皆様にお届けしております。
Posted by 自然栽培米ササニシキ-在来種・伝統のお米産地直送専門店 at 11:42 / 伝統の自然栽培米作りの現場コメント&トラックバック(0)