2018年夏は、水不足と高温時期が続きました。
一般的に、農作物は天候が良いと収量が増加する傾向にあります。
しかし、天候は良くても
高温時期が長く続くと逆に収量が減り、お米の品質にも影響が出てきてしまいます。
今年の村田さんの田んぼでは、夏の高温の影響を受けながらも、お米は逞しく育ってくれました。
夏の高温を受けて収穫されたお米は、
逞しく生き抜いてくれましたが、通常に比べ乳白色になります。
これは、乳白粒またはシラタと呼ばれるもので、夏の高温などにより発生する高温障害の一つです。
自然栽培米は、環境変化に柔軟に対応できるという特徴も持っていますが、
その年の天候の影響をかなり受けてしまいます。
昼間が暑いと葉からH2Oが出るのを防ぐために気孔を閉じます。
そのため、CO2が吸収できなくなり、光合成産物量(デンプン等)が減ります。
高温で夜の気温が下がらない場合、
昼間に生成した光合成産物(デンプン等)を稲に蓄えていきますが、気温が高く暑いと呼吸量が大きくなります。
そして、呼吸によって光合成産物(デンプン等)を消費してしまいます。
高温状態にさらされることで、稲のデンプン合成酵素の活性が阻害され、米粒内のデンプン量が不十分となり、米粒内に空気の隙間が残ります。
デンプンとデンプンの間に空気が乱反射して、お米の一部または全体が不透明になり乳白色に見えます。
2018年8月国東半島では、雨が降らず高温な日が続きました。
一部水を回せない田んぼもあり、9月収穫のササニシキやササシグレは大きな影響を受けました。
シラタは、でんぷん質の代わりに空気が多く入ってしまうため、米質がもろくなる傾向にあります。
その食感は柔らかくなり、粒感があまりないのが特徴です。
また、シラタがあまりにも多いと食味が悪くなると言われていますが、
体に悪い成分を含んでいるということではないんで食べても害にはなりません。
精米の基準でシラタは15%以下となっていますが、20%くらい入っていても食味に問題はないようです。
シラタの場合は、べちゃっとした炊き上がりになる傾向にありますが
ササニシキやササシグレといったアミロース値が高い品種は、コシヒカリに比べるとその傾向は小さいようです。
2018年は、夏の水不足と高音の影響で収量も減りましたが、力強く育ってくれた稲が残りました。
大分県国東半島の厳しい環境で育ったササニシキ、ササシグレは遺伝的に強くなります。
そして、生き残った種を次年度に残します。
今年は、夏の間の水不足と高温の影響を受け、コメの一部または全てが白濁したシラタが多くなってしまいました。
これは、夏の昼間と夜間の高温により、光合成産物量が減り、呼吸量も増えたため、体内のでんぷん質を多く消費したことによるものです。
ササシグレの発芽実験をしましたが、よく発芽してくれました。
これからも、毎年進化をしていく安心安全の自然栽培米を皆さまへとお届けしていきます。
Tags: 自然栽培米, ササニシキ, ササシグレ, シラタ
Posted by 自然栽培米ササニシキ-在来種・伝統のお米産地直送専門店 at 09:33 / 伝統の自然栽培米作りの現場コメント&トラックバック(0)