【世界農業遺産】に認定された大分県国東半島で
農薬も肥料も使用せずに自然栽培米ササニシキとヒノヒカリを育てて
皆様にお届けしています。
農作物は、天候の影響を受け
天候が良い日が続くと稲の収量は増加すると言われています。
しかし、
天候が良くても高温時期が続き過ぎると
逆に収量も減るし、お米の品質も下げてしまいます。
2016年の夏は、水不足と非常に高温時期が続きました。
そのため夏の高温の影響を受けて
お米が乳白色がかっております。
大分県のササニシキは、9月中旬頃には収穫をします。
2016年8月の夏時期の高温の影響を受けて
9月に入り収穫時期を迎えたササニシキはその影響を受けてしまいました。
自然栽培米は、ある程度環境変化に柔軟な面もあるのですが
今年は気温の影響を受けてしまいました。
例年の玄米と色を比べると
お米の色が乳白色がかっているのが分かります。
一般に夏の昼間の温度が35度、夜の温度も30度近くあると
稲に高温障害が起きる可能性があると言われています。
あまりに暑すぎると
昼と夜に稲の中で何が起こっているのでしょうか?
今年の夏は、
水不足と高温時期が長かったのですが
植物体内の水の動きを見てみましょう。
出典:気孔の働きは? http://www.museum.kyushu-u.ac.jp/publications/annual_exhibitions/PLANT2002/01/05.html
ポイントは、
水H2Oと二酸化炭素CO2が出入りする気孔の開閉にありそうです。
昼間が暑すぎると、
葉からH2Oが出るのを防ぐために気孔を閉じます。
そのためCO2も吸収できません。
⇒光合成産物(デンプン等)量が減ります
夜間が暑すぎると、
昼間に生成した光合成産物(デンプン等)を稲に蓄えていきますが
気温が高く暑いと呼吸量が大きくなります。
⇒呼吸により光合成産物(デンプン)を消費します
米粒が充実してくる初期から中期に高温状態に当たると
稲のデンプン合成酵素の活性が阻害され、
米粒内のデンプン量が不十分となり、米粒内に空気の隙間が残ります。
デンプンとデンプンの間に空気があると
光を乱反射して、不透明になり乳白色に見えるのです。
食味の面でいうと
例年のお米と比較して
粒感が弱くなったように感じます。
私たちは、
無農薬・無肥料(一年を通して農薬・肥料を使用しない)で
自然栽培米ササニシキを育て、届けております。
自然の環境で育つ野生児の生命力が高いように
私たちも生命力のあるお米を皆様にお届けしたいと思っています。
2016年は、夏の水不足と高温の影響を受け
収量も減りましたが、力強く育ってくれた稲が残りました。
今年の新米ササニシキを発芽させてみました。
4日間で上の写真の状態まで発芽してくれました。
2016年は
夏の水不足と高温の影響により
乳白色がかったお米となってしまいました。
夏の昼間と夜間の高温により
光合成産物量が減ったり、呼吸量が増えて
体内のでんぷん質を消費したためです。
このことは、
人間も同じですよね。
夏場に暑い外に出されていると汗が出てきて、
働く気力が落ちてきて
呼吸も速くなってきますよね。
そして、体力が奪われていきます。
人間は、陰の下に移動したり
水分補給したりと自己防衛できますが
稲は、移動ができないので、自らの体力で踏ん張るのみです。
そのように考えると
稲達は、今年の夏の水不足と高温をよく踏ん張ってくれたと思います。
Posted by 自然栽培米ササニシキ-在来種・伝統のお米産地直送専門店 at 12:21 / 自然栽培農産物の知識コメント&トラックバック(0)