こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田です。
熊本県八代市で自然栽培米を35年以上にわたり作り続けている稲本薫さん。
熊本地震をきっかけに、「あきたこまち」から独自のお米に生まれ変わった「稲本1号」を育てています。
熊本地震の際に八代は広範囲に塩害の被害を受けました。その際に生き残った稲を選抜し育てると「あきたこまち」とは異なった特性を持った稲に育ちました。自然災害の中でも生き抜いたこの稲は「稲本1号」と名付けられました。
この稲本1号は、従来のあきたこまちよりも「食味があっさりしていて食べやすい」と稲本さんは言います。
そこで、他の自然栽培米と比べどれくらい味に違いがあるのか、食べ比べの実験調査をしました!
この日集まってもらったのは、20代~50代の一般男女数名。評価に偏りがないよう、いろいろな年代・性別・嗜好を持った人に食べてもらいました。
ちなみに稲本1号は玄米のみの販売ですが、玄米は普段から食べ慣れている人が少なく味を比べるのは難しいという理由から、今回は7分搗きのお米を使用しています。
そして稲本1号と比べるお米は、自然栽培米ヒノヒカリです。
ヒノヒカリは、九州で最も栽培されており、コシヒカリの血を継いだ粘りと甘さのあるお米。
今回使用した自然栽培米ヒノヒカリは、稲本さんと同じくらい自然栽培歴の長い米農家さんです。
特殊な二重構造の土鍋で炊いた2つのお米。
どちらもふっくらツヤツヤに炊けていますが、果たして味のほどはいかに…?
※先入観を取り払い直観で選んでもらうために、あえて自然栽培米の名は伏せ、A・Bという表示にしています。
見た目にあまり差はない稲本1号と自然栽培米ヒノヒカリ。
しかし実際に食べ比べてみると、実に興味深く面白い意見が飛び交っていました。
ある人は「大きな違いは硬さかな…」
またある人は「甘みが全然違う」
中には「噛めば噛むほど違いがはっきりしてくる!」
感じ方は人それぞれですから、評価に差は出るもの。皆さんそれぞれ、色んな違いを感じていたようです。
皆様にお米の香りや粘り、甘味、硬さなどアンケートに答えて頂きました。
アンケートの結果を集計すると、興味深いことが分かりました。
稲本1号の特徴はヒノヒカリに比べて
・食味はあっさり
・甘味は控えめ
・若干柔らかい
そして、全体評価としては、同じ高評価でした。
一般には、粘りと甘味があるお米が美味しいと評価が高いです。
自然栽培米ヒノヒカリは、やはり、粘りと甘味の評価は高いですね。
ここ最近、あっさりしたお米が求めらるようになりましたが、稲本1号は、そのような方におすすめです。
稲本1号の特徴としては、あっさりと甘さは控えめといえますね。
特筆するべくは、全体評価としては、ヒノヒカリも稲本1号も全く同じ4.3でした。
粘りのあるお米が好きなのか、あっさりしたお米が好きなのか、食べる方の好みによりますが、美味しさという全体評価では同じでした。
※稲本1号の玄米です。
今回の稲本1号とヒノヒカリの食べ比べでは、同じ精米機で7分搗きに設定して精米しました。
しかし、精米後に若干、稲本1号の方が白いなと感じていました。
炊きあがりの写真も実は、よく見ると稲本1号の方が若干白い炊きあがりでした。
稲本さんは、以前から稲本1号の特徴を「透明感がある」と言っていました。それは、玄米を包んでいる「糠」の皮が薄いからだと。つまり、玄米特有の臭みのない、食べやすいお米なのです。
実験結果から得られた「柔らかめ」という感想も、このことを反映しているでしょう。
稲本さんは稲本1号の販売前、食味を確かめるために周囲の人に食べてもらったそうですが、皆からもらった感想はお世辞抜きの「美味しい」という声でした。
辛口評価をする知人からも「今までのお米より美味しい」というお墨付きをもらい、非常に嬉しかったそうです。
熊本地震を耐え抜き、美味しさも増したこの稲本1号はまさに「天からのプレゼント」。35年の集大成とも言うべき渾身の自然栽培米です。
今回の調査項目は、ツヤ・香り・柔らか・甘みなどをそれぞれ5段階で評価するというもの。皆さん感覚を研ぎ澄まし、ゆっくり噛みしめながら味を確かめていました。
さらに今回は、新発見もあったんです。
コシヒカリ系の白米は時間が経って冷めると、もっちりと固くなってしゃもじがなかなか入っていきませんが、今回のお米は2つとも、冷めてもしゃもじがスッと入っていく感覚がありました。サクッとしているんです。
これはやはり、自家採種を続けてきた自然栽培米ならではの感触ともいえるでしょう。
Tags: 自然栽培米, 無農薬米, あきたこまち, 食べ比べ, 比較
Posted by 自然栽培米ササニシキ-在来種・伝統のお米産地直送専門店 at 00:01 / 食味を知る!伝統のお米コメント&トラックバック(0)